手紙を書くコツ


えーっと、手紙ってどうやって書くんだっけ?

まずは「拝啓」…あれ…「拝」の横棒何本? 次は…時候の挨拶? 今って春?夏? 最後は「敬具」?「かしこ」? 縦書き?横書き?…んーーーもういいや。

 

そんな経験はありませんか。ルールは確かに存在します。でも決まり事にとらわれてばかりいたら、手紙なんてめんどくさいだけって思っちゃうかもしれない。それはとっても残念……。

 

用件を伝えるだけなら電話やメール、SNSがとっても便利! そんな時代にあって、それでも「わざわざ」手紙を出すことを選び、時間を費やすのは、手紙じゃないと伝えられない何かを信じてるから。

 

だったら、ルールはそこそこにしてでも、まずは自分の伝えたい気持ちを大切にしてほしい。書き出してみてほしい。

 

いつかは終わるいのち。与えられた時間の中で、出逢うことのできた人たち。ご縁。

手紙は、手書きの文字は、あなたが生きた証しでもあるのです。

 

あなたの書く手紙が、あなたの文字が、

誰かの生きる力になるかもしれない。

前を向くきっかけになるかもしれない。

その優しいきもちが連鎖するかもしれない。

 

あまり難しく考えないで、自分の文字で、自分の言葉で想いを伝えてみませんか。

 

置手紙でも一筆箋でもお手紙でも。大切な人のしあわせを願って書いてみませんか。

 

書きたいけど一歩踏み出せない…なにかコツはある?…そんな悩める人から、もっと楽しみたいんだけど…というお手紙好きさんまで、なにかを得られるサイトにしたいと思っています。随時更新していきますので、たまには寄り道しに訪れてくださいね。



■■■ 字が上手くないから…という人 へ■■■

自分の字が好きじゃないんだよね…。字が下手だから…。

よ~く耳にする「手紙を書かない理由」。でもそれでは残念すぎる!!

あなたの顔があなたでしかないように、あなたの声があなたしか出せないように、あなたの文字はあなたにしか書けない特別なフォントなのです!

 

そして、ただ「手書きである」というだけで、「あなたの文字である」というだけで、すでに大きな大きな価値があるのです!

 

思わず「ほぅ~」っとため息が出るような 美しい文字を書く方もいらっしゃいます。

けれど、わたしは「その人らしい味がある」文字がとっても好きです。声が聴こえてくるようで、嬉しくなります。

相手とつながっていることを実感できる、とても身近に感じる、今生きていることを実感できる…手紙の醍醐味ではないでしょうか。尻込みしてないで、会話するように書いてみましょう。

 

*それでもやっぱり…という人へ。

ポイント① 文字は大きめに書く。読みやすく…と心がけるだけでOK!

ポイント② 筆記用具は中字から太字のものを選んでみる。

ポイント③ 万年筆を使ってみる。1,500円くらいからあるので難しく考えずに予算とデザインで選んでみる。お気に入りの一本を持つと、自然と書いてみたくなるはず。

ポイント④ インクの色はブルーがおすすめ。濃いブルーはあらたまった感じ。明るいブルーは親しみが表現できます。

 


■■■ 形式がわからないから…という人 へ■■■

 

基本形式というのはあります。あらたまった手紙や、ビジネスのツールとして手紙を活用する場合は、インターネットを駆使してでも、how to本を読んででも、形式にのっとる必要があるかもしれません。(その場合も私はほどほどでいいと思います♪) おなじみの「拝啓」などの頭語にはじまり前文→本文→末文→あとづけ…。

 

ですが、最近会ったばかりの相手に「お元気ですか」とたずねるのもおかしいですし、日頃は全く使うことのない言い回しを使うことも、相手にとっては違和感があります。女性のプライベートな手紙の場合は「拝啓」と書きだすよりも「ひと筆申しあげます」の方がやわらかい印象になりますしね…。

 

まずは、書く相手が誰で、何を伝えたいのか。一度目を閉じて、ゆっくり深呼吸しながら、自分との関係性や相手への想いに向き合ってみてください。時には認めたくない感情がわいてくるかも……、でも向き合った先に、また新たな気持ちで関係をつむいでいくことができるかもしれません。ヒトがもつあたたかさ、たくましさ、大きさを信じてみませんか。

 

*それでもやっぱり…という人へ。

ポイント① 「◯◯さん…」「◯◯ちゃん…」など、名前を呼びかけて書きはじめる。

ポイント② 難しい熟語や言い回しはカチッとした印象を与えますが、読みにくいこともあるのです。格好よく見せる必要はありません。等身大の自分で。メールをうつように、電話で話すように、自分の言葉で語りかけるように書いてみましょう。

ポイント③ 季節の挨拶で手が止まるなら、季節感のある便せんやはがきを使ってみて。「涼しそうな便箋を見つけました」

「そろそろ朝顔もひらきそうです」これで十分です♪ 

ポイント④ あらたまった正式な文書は無地白色の便せん。そうでなければ、たくさん市販されている便せんの中から、相手が喜びそうなものや、自分のお気に入りを選ぶのも楽しみのひとつです。いろんな便せんで書いてみましょう。

ポイント⑤伝えたいのは「ありがとう」?「ごめんなさい」?「また会おうね」? 向き合った自分の気持ちに素直に書いてみましょう。

 

*きちんとした形式が知りたい方はこちら→郵便局のページへどうぞ!


■■■ 言いたいことがちゃんと伝わるポイント■■■

 

***お礼の手紙***

何が、どんなに嬉しかったのか……感謝の気持ちをすなおに。いただいたものの感想・してもらったことで変化した状況や気持ちなどを具体的に書くと、より感謝の気持ちが伝わります。相手も自分も嬉しい気持ちになる「ありがとう」は魔法の言葉

 

***お詫びの手紙***

率直に詫びることで、人間関係がかえって深くなることも。言い訳に終始せず、迷惑をかけてしまったことや、気分を害させて申し訳なかったという気持ちを自分の言葉で伝えましょう。気が重いのは当たり前。だから一刻も早く!です。

 

***お祝いの手紙***

結婚・出産・入学・合格・長寿・新築・昇進…。お祝いの手紙を送るとき、相手は人生の節目をむかえ、大きな喜びにつつまれていることでしょう。ただ一方的に「おめでとう」ではなく、そこに至るまでの苦労や努力に想いを馳せたり、応援メッセージを書き添えると、より喜びを分かち合うことができます。「よく頑張ったね」「大変だったでしょう」「誇りに思うよ」「尊敬します」「素敵ですね」ここでも素直が一番です。お祝い用のグリーティングカードなどもたくさんあります。用途と相手に合わせて選ぶのも楽しいですね。

 

***励ましの手紙***

めいっぱい頑張っている相手・ひどく落ち込んでいる相手に「頑張って」や「元気を出して」という励ましの言葉は禁句です。つらい状況に耐えていることで、すでに頑張っているのですから……頭でわかっていてもどうしようもない状況なのですから……。相手の苦しみに共感し、あなたの力を信じている、私がついている、と心をこめて語りかけることこそ本当の励ましではないでしょうか。届いてすぐに……ではなくても、時間をかけてじわじわ相手の心にしみわたっていくといですね。

 

***贈り物にそえる手紙***

お中元やお歳暮などの季節の贈り物だけでなく、誕生日のプレゼントや、現像した写真、借りたものを返すときにも、ひとこと手書きの手紙があると丁寧で親しみやすい印象になります。季節の贈り物には、日頃お世話になっているお礼の気持ちをこめて、「心ばかりですが」「ささやかですが」と書き添えるといいですね。別々に発送する場合は同時か、手紙が先に着くようにするとスマート。一筆箋などを活用すれば「楽しかったね」「食べて♪」「ありがとう」と2、3行書くだけで気持ちが伝わります。

 

***お願いの手紙***

依頼内容は具体的に、どうして相手にお願いしたいのか、理由も添えるといいですね。「よろしければ」「お手数ですが」という言葉のあとに続けると、やわらかく伝わります。そして、「してください」ではなく「していただけませんか」。してもらって当たり前ではなく、疑問の形を使い相手にゆだねる気持ちが大切です。また、漢字で「宜しくお願い致します」と書くのと、平仮名を多く使って「よろしくお願いいたします」と書く場合では、受ける印象がずいぶん違いますね。TPOによって使い分けましょう。場合によっては、手紙だけでなく改めて電話をしたほうが間違いがなく気持ちが伝わる場合もあります。

承諾してくださる……その場面を想定して心を尽くして書くのが基本です。

 

***ことわる手紙***

ことわる理由をきちんと伝え、どのように書けば相手が納得してくれるかを考えて書く必要があります。自分を頼り、依頼してくれたことへの謝意を忘れずに伝えましょう。

 

***苦情の手紙***

あまり書きたくない手紙です……。が、どうしてもの時には口頭で伝えるよりも効果がある場合もあります。決して感情的にならないこと。冷静な文面で、何を問題にしているのかを具体的にきちんと伝えることが重要です。長すぎず読みやすい文章で書くことを心がけてください。

 

***催促の手紙***

切り出しにくい催促の手紙は、あえて時候(季節)の挨拶から書きはじめてもいいですね。ビジネスでの督促状でない限りは、人間関係を壊すことのないよう「◯月◯日には使うので」「次の方に貸すので」というやわらかい表現になるように工夫できるといいですね。自分が困っていることを伝え、「なるべく早くに」と伝えてみましょう。

 

***愛情の手紙***

手紙大好きな私でも、オススメするのをためらう手紙があります。それは異性に書く愛情の手紙。通信手段のなかった一昔前ならば、手紙というのは当たり前の気持ちの伝え方だったのかもしれません。でも今はどうでしょう……。突然、気持ちを伝える手紙が来たら、相手はびっくりするのではないでしょうか。「なんで住所を知ってるの?」「私にはその気はないんだけど…」「返事も出来れば書きたくない…」好きな相手にそう思わせるのは避けたいですよね。ましてや“ストーカー”だなんて絶対に思われたくない!恋文が行きかっていた時代をご存知の方は なんとも寂しい時代になった…と思われるかもしれませんが、そのくらい慎重になっている世の中でもあるのです。愛の告白に手紙はおすすめいたしません…。

が、親子間・夫婦間・パートナー間での手紙はおおいにオススメしています。「言わなくてもわかってくれてるはず…」と思う相手にこそ、何気ない感謝や想いを書いてみませんか。手紙でも、置き手紙でも。いつか別れの時が来ても、共に過ごした時間と想いは、確実に胸の奥深く、記憶の奥深くにのこると信じています。


■■■ 気をつけるコト(基本的なこと)■■■

 

■カラフルなインクがたくさん出ていますが、督促状や絶縁状に使われる「赤文字」は使わない。

 

■鉛筆も消えてしまうのでNG!(子どもが書きまちがえを気にせずに、自信をもって書き進められるように、鉛筆を用いるのは…私はいいと思います。)

 

■相手の名前を2行に分けることや、行末(行の一番最後)に書くことはタブー。

 

■自分(や身内)の名前は行頭(行の一番上)に書かない。

 

■適切でない言葉(お悔やみの手紙で「重ね重ね」、お祝いの手紙で「切れる」「はなれる」、お見舞いの手紙で「たびたび」「長引く」など)はつかわない。

 

■敬称の重ねづけ……社長様、先生様→社長 ◯◯様・◯◯社長、◯◯先生

 

■基本的に、封筒はセロハンテープやホッチキスでとめない。相手によってはマスキングテープなどでおしゃれに飾るのもアリ♪ですね。

 

■切手は不足しないように貼るのがマナー。たくさん書いた時は要確認。

 



 

どんな手紙でも、さいごは相手の幸せをねがうことばで締めくくりましょう。

 

手紙はあなたからの心のこもった贈りものですから。